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景気低迷の中，いまだに成長を続ける海外旅行であるが，国内観光に目を向けると，ここ最近変化がみられる．法人需要の冷え込みが深刻となっている中，個人需要は減らず，ますます多様な観光を求める個人に対して観光地はその対応を迫られている．レジャーの楽しみ方を知っている世代になった高齢者の旅行，学生から「ダサい」とまでいわれるようになったスキー旅行，格安運賃が登場することによって変化した観光地間競争などが生じ，これまでの観光地のあり方では生き残れず，時代の要求に対して変化を求められている．好景気の時代に建設されたテーマパークが次々と閉園していく中，依然大人気のテーマパークも存在する．これらの違いから，これまで多くの人たちが抱いていた観光に対する安易な考え方を改める必要性に気づかされる．21世紀における観光は，長期休暇制度が広まった社会に対応できるように，多様化した個人の指向に合わせた新しい視点で考えなければならない．自然環境や社会的弱者を重視する視点も重要である．このような新しい視点から取り組んでいくには，観光に対する住民の意識向上と，これからの観光を担っていくエキスパートの育成が大切である．