1. Surgical Treatments for Paralysis of the Right Vocal Fold
- Author
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Hideaki Kanazawa, Nobuhiko Isshiki, Noriaki Nagai, Kazuhiro Nakamura, and Tetsuji Sanuki
- Subjects
medicine.medical_specialty ,business.industry ,medicine ,Paralysis ,General Medicine ,medicine.symptom ,Right vocal fold ,business ,Surgery - Abstract
右側喉頭麻痺は,左側に比べると頻度は低い。反回神経の走行が,解剖学的に左側が長く胸腔内を走行するため左側に麻痺が起こりやすいと考えられている。頻度が少ない右側喉頭麻痺の特色と術式について検討した。症例は1994年から2006年に一色クリニック・京都ボイスサージセンターにて手術を施行した片側喉頭麻痺110例のうち,右側喉頭麻痺の35例である。年齢は17歳から75歳(平均49.4歳),性別は男性22例女性13例であった。麻痺の原因は,甲状腺手術16例,頸部迷走神経鞘腫手術5例,特発性3例,縦隔迷走神経鞘腫手術3例,脳腫瘍3例,以下食道癌手術,頭部外傷,頸椎手術によるものが各1例ずつであった。術式は声門間隙の広いものは披裂軟骨内転術(Arytenoid Adduction:AA)を,狭いものには甲状軟骨形成術1型(1型)を選択した。声門間隙が広くかつ萎縮の強いものにはAAに加え1型を併施した。まずAAまたは1型またはAA+1型にて声帯正中移動を施行した。その後,甲状軟骨と輪状軟骨の接近テストを施行し,音声の改善を認めた10例には甲状軟骨形成術4型(4型)を追加した。4型追加症例は麻痺の原因疾患より,輪状甲状筋機能不全が疑われた症例であった。手術前後の音声の評価は最長発声持続時間(MPT)とAlternating Current/Direct Current Ratio (AC/DC比)を用いた。術後のMPTは1例のみ不変であったが34例は改善した。AC/DC比は1例を除き増加した。片側声帯麻痺で輪状甲状筋機能不全の疑いがある際には声門閉鎖不全の解消のみならず声帯前後方向の緊張が必要である。まずAAや1型,またAA+1型により声帯正中移動させ,その上で患者の音声をモニタリングし,術中にオプションとして4型の併用の選択を考慮することは重要である。
- Published
- 2007
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