1. ケッカン セッカイカ ノ ハッショウ キコウ
- Subjects
Inflammation ,Vascular smooth muscle cells ,Cellular senescence - Abstract
血管石灰化は動脈壁にリン酸カルシムが沈着する異所性石灰化であり, 心血管イベントの発症と関連する重要な病態と考えられている. 血管石灰化はその発症部位により内膜石灰化と中膜石灰化の二つに分類される. 内膜石灰化はアテローム性動脈硬化により形成される内膜プラークに見られる石灰化で, 内腔狭窄やプラークの破綻などにより動脈硬化性疾患(心筋梗塞, 脳梗塞, 閉塞性動脈硬化症)の発症に関与する. 一方, 中膜石灰化は高齢者や糖尿病および慢性腎臓病患者にしばしば観察される. アテローム性動脈硬化とは関連しない病変であり, 内腔狭窄や閉塞を伴わずに中膜内に全周性に進展する. その結果, 動脈壁硬化, 脈波速度の上昇, 収縮期血圧の上昇, 脈圧の増加などを引き起こし, 心不全, 左室肥大, 拡張機能障害などをもたらす. これらの石灰化の発症には, 血管平滑筋細胞の骨・軟骨形成細胞への分化(形質転換), 基質小胞, アポトーシス, 石灰化抑制因子の機能低下, 細胞老化, 炎症性サイトカイン, 酸化ストレス・小胞体ストレス, 細胞外マトリックの分解とリモデリングなどが関与している. これらの因子のうち, 細胞老化とそれに関連した慢性炎症の役割が注目される., Vascular calcification (VC) is the ectopic deposition of calcium phosphate salts in the arterial tissue and is associated with adverse cardiovascular events. Two distinct types of VC have been described, that is, intimal and medial calcification. Intimal calcification occurs as a consequence of atherosclerosis and may cause plaque rupture leading to ischemic cardiovascular diseases such as myocardial infarction, stroke, peripheral artery disease. On the other hand, medial calcification is a nonatherosclerotic and nonischemic disease and preferentially develops along with elastic lamina...
- Published
- 2020