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日本では, 昨今大規模な災害に見舞われている. 2011年の東日本大震災や大雨による被害は甚大である. こういった状況で, 防災分野の重要性はますます高くなっており, その中で宇宙を利用した防災への取り組みが進められている. 地球観測衛星による観測画像の提供や通信衛星によるインターネット接続の提供, GPS観測による地殻変動の活用など宇宙技術の利用が進んでいる. 衛星測位の分野では, 米国のみならず, ロシア, 中国, 欧州等の測位衛星システムの運用が開始しており, マルチGNSS時代に突入している. 衛星測位が使える場所・時間が拡がり, 更に精度も向上していることから, 利用者にとって, より使いやすいサービスに発展している. 衛星測位は, 防災分野の中でも災害発生前の津波監視, 地すべり監視, 復旧に役立つプローブカー等, 様々な防災アプリケーションに活用されているが, 衛星測位技術の発展に伴い, 更に適用範囲は拡がりつつある., 形態: 図版あり, Physical characteristics: Original contains illustrations, 資料番号: DS1740337001

1990年3月25日から8月28日にかけて,選択利用性SA(Selective Availability)の試験が行われると報じられた。SAとは,意図的な誤差源を放送暦および衛星搭載時計に付加することによって,民間利用者の測位(速度,時刻)精度を劣化させるもので,全世界測位システムGPS(Global Positioning System)の運用段階(1993年半ば)において実施されると考えられている。現在宇宙部分は試験実証用として1980年代初頭に打ち上げられたブロックI型衛星と,運用型として1989年2月から打ち上げの始まったブロックII衛星から構成されており,ブロックII衛星のみがSA機能を有している。そこで,このSAの大きさ,時間的な挙動,動特性,などを推定する目的で,航技研所有のGPS受信機(NAVCORE-1)によって,このSA試験期間に疑似距離およびデルタ疑似距離(積分ドップラ)データを取得し,その高精度解析によって,SA誤差成分を分離した。その結果、以下のことが確認された。①SAはブロックII衛星にのみ実施されており,②疑似距離データにおけるSA誤差は周期が数分の短周期成分と数時間の長周期成分とからなり,その大きさは約30～50m(RMS)となっている.この大きさは水平面内の測位精度100m(95％)に相当し,公表されている米国防総省のポリシィに合致する。③同様にSA誤差はデルタ擬似距離にも入っているが,その大きさは小さく,航法精度への影響は無視できる。, Selective Availability(SA) of the Global Positioning System(GPS) was tested from March 25-Augsut 28, 1990. The objective of SA is to degrade the positioning accuracy of civilian GPS users by intentionally adding errors into the broadcast ephemerides and satellite clocks of the GPS navigation message, with SA expected to be implemented in the fully operational phase of GPS(about mid-1993). Presently only Block-II GPS satellites have this capability. In order to estimate the magnitude, time behavior, and dynamic/statistical characteristics of SA errors, both pseudorange and delta-pseudorange observations were taken during the SA test period using a Clear/Acquisition (C/A) code, single chan-nel GPS receiver (NAVCORE-1) of the National Aerospace Laboratory (NAL). SA errors were subsequently analyzed by computing residuals of the pseudorange/delta-pseudorange data. Analysis results show that:① SA was implemented on the Block-II satellites only. ② SA errors in the pseudorange data consisted of both short periodic components with the period of a few minutes and long periodic terms with the period of a few hours, with the magnitude ranging from 30～50m (RMS), which is consistent with the stated policy of U.S.Department of Defense (DoD), ③ The anomalous residuals in the delta-pseudorange data for the Block-II satellites were also observed, but the magnitude of which was well below the formal standard deviation (10cm) of the receiver, and this hardly has an effect on navigation accuracy in velocity., 資料番号: NALTR1105000, レポート番号: NAL TR-1105