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武庫川女子大学「ひょうご理系女子未来塾」では，女子生徒の理工系進路選択を支援するために，2018年から地域の中学校と連携した出前授業を実施している．本実践報告では，2021 年に実施した出前授業について，アンケート調査の結果から，効果と課題について検討した．出前授業は文理選択前の中学生に対して，理工系進路意識を高めることが示唆された．, Mukogawa Womenʼs University（Hyogo-Rikei-Jyoshi-Mirai-jyuku） has been conducting visiting lectures in collaboration with regional junior high schools since 2018 to support female students in their choice of science and engineering career paths. This practical report examined the effects and issues of visiting lectures conducted in 2021 using a questionnaire survey. The results of the study suggest that visiting lectures raise awareness of science and engineering careers for junior high school students, which can help them choose between humanities and sciences.

三重大学東紀州サテライト教育学舎（熊野市）では、2017 年11 月より地域の小・中学校においてスクラッチ（Scratch）プログラミングの出前授業を進めてきた。スクラッチプログラミングでの内容面で注目したのが、Science（科学）、Technology（技術）、Engineering（工学、ものづくり）、Arts（芸術、技）、Math（数学）のSTEAMである。本報告では、これまでのプログラミング学習の実践成果から、STEAM を重視・実現するスクラッチプログラミング学習の具体例、つまり1) 幾何学的図形を描く、2)「マイワールド（私の世界）」アニメを表現する、3)音楽で曲を鳴らす、4)画像を録音音声でつなげる短い動画作品をつくる、5)プログラミング学習用ロボットキットを動かす、の５つを提案した。STEAM 学習でスクラッチプログラミングを進めていくには、単に１つの教科で取り組むというのではなく、担当教員が教科横断的に授業デザインを構想し、学習者が主体的にコンピュータに働きかけて学んだり、学習成果を共有しながら共に学ぶことが重要である。

くずし字学習の導入教材の必要性について説くとともに初学者の興味・関心を喚起するための教材の特性について整理し、具体的な教材とその活用方法について報告した。同志社女子中学校・高等学校での夏期講習の実践報告である。, 実践報告

自殺予防教育はその必要性から、その内容や方法やプログラム編成について論じられている。筆者らは「こころの健康づくり出前授業」を別府市内の希望する中学校を対象にこれまで協働で行ってきた。新たな「自殺総合対策大綱」では、子ども若者の自殺対策を更に推進する取り組みが求められており、対象を小学校高学年に広げて行うことにした。事前に小学校との打ち合わせを行い、授業では別府市健康づくり推進課の役割や保健師の仕事の紹介と併せて、教師の体験談、もやもや度チェックリスト、教師と講師のロールプレイを取り入れた授業を行った。外部講師による授業ではあったが、児童も興味をもって参加し、事後、担任へ多くのフィードバックを行うことができた。

日本近世文学会の「出前授業」の一環として、同学会から２名の研究者を講師に迎え、中学１年生を対象に、くずし字で書かれた江戸時代の「桃太郎」を読むという特別授業を協同で実施した。本稿は、その実践報告である。適切な教材を用意することで、くずし字の解読が、古典への関心・意欲を喚起するのに有効な方法になり得ることがわかった。, 教科研究・特別研究 Research of Subject

高大連携プログラムジェクトの一環として，筑波大学附属聾学校で高等部生徒を対象とする出前授業を実施した。本授業では，高等部1年次の物理関係科目の一部として「科学と社会との関わり」を意識した構造力学を取り上げた。1日目では座学と骨組の安定性を調べる簡易な実験を，2日目ではCAE ソフトによるコンピュータシミュレーションを行った。最後に，参加生徒を対象に授業アンケートを実施し，評価結果から高大連携プロジェクトとして望ましい出前授業のあり方について考察した。

Article, 信州大学教育学部研究論集 8: 155-164(2015)