Yutaka Suzuki, Shoki Terada, Toshio Tanabe, Harutaka Itaya, Shigeyuki Ikeda, Wataru Hirata, Kiyoshi Kanagawa, Morimichi Fukuda, Kenichiro Hirata, Satoaki Mima, Hitoshi Mizuo, Kainosuke Saito, Kazumasa Watanabe, Hiroo Ogura, and Kiyoshi Uchiyama
肝癌のhigh risk groupを対象に昭和56年11月から超音波を主体とした肝癌の集団検診を実施した.対象者はHBVキャリアおよび肝疾患歴のあるものを主体とし,GOT, GPT, LDH, ALP, Ch-E, r-GTP, TTT, ZTTなどの肝機能検査,HBs抗原抗体系,AFPその他の腫瘍マーカーの検索と超音波検診を併用した.昭和59年4月までの2年6ヵ月間に,札幌,函館,帯広,旭川の道内主要都市を中心に計9回の検診を行い,受診者は延べ2,028名を数えた.受診者は30~60代を主体とし,男女比は1:0.49であり,なんらかの肝機能検査異常を呈したものは60.9%に上り,HBs抗原の陽性率は23.2%を示した.肝癌は21名,1.04%に発見されたが,19名は超音波検査のみによりスクリーニングされ,他はAFP高値例の追跡により診断しえた.その他,肝血管腫22名,1.1%,肝嚢胞52名,2.6%,胆石症91名,4.5%, FNH 1名も発見された.