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49歳, 男性。体幹・四肢に自覚症状のない紅斑, 丘疹が生じ増加してきた。病理組織にてCD4陽性を示す異型細胞の浸潤, TCR遺伝子再構成を認め, 皮膚T細胞リンパ腫 (CTCL) と診断した。ステロイドパルス療法後, ステロイドと低用量MTX内服投与で治療していたが, 皮疹が再燃した。病理組織にて大型の異型リンパ球の密な浸潤を認め, CD4陽性を示す異型T細胞とCD20, CD79a陽性を示す異型B細胞が混在していた。免疫グロブリンH鎖に遺伝子再構成を認めた。EBERs陽性細胞を少数認め, 組織学的にEBV感染が証明できた。以上よりCTCL患者にメトトレキセート関連リンパ増殖性疾患 (MTX-LPD) が発症したと考えた。MTX中止のみでは軽快せず, フルダラビンによる化学療法を施行した。MTX-LPDについて原疾患, Epstein-Barr Virusとの関連など過去の報告例と比較検討した。MTX-LPDは重篤な医原性疾患の一つであると考え報告する。

ステロイドと低用量メソトレキセート (以下MTXと略す) の併用療法が奏功した未分化型大細胞リンパ腫 (Anaplastic large cell lymphoma; 以下ALCLと略す) の1例を経験したので報告する。症例は60歳, 女性。初診の4年前に下肢に出現した皮疹をALCLの診断のもと, 近医および当科でステロイド外用・内服, PUVA療法, IFN-γ注射, エトレチナート内服, 電子線照射などで治療されていたが軽快再発を繰り返していた。平成16年の再発時にCHOP療法施行後に本治療を開始したところ, CHOP療法後に残存していた病変はすべて速やかに消退した。以後38ヵ月間再発はみられない。本治療はCHOPなどの多剤併用化学療法施行前の, あるいは施行後の補助・維持療法として推奨される治療法であると考えられる。

6歳, 女児。4歳頃より右側腹部に腫瘤が出現し徐々に増大した。やがて中央が潰瘍化したため当科を受診した。中央が潰瘍化した直径18mmのドーム状に隆起する淡紅色腫瘤が右側腹部に単発性に認められ, 診断目的に単純摘出術を施行した。病理組織では胞体内に好酸性の顆粒を持つ細胞が真皮内に密に浸潤し, 被膜に取り囲まれた腫瘤を形成していた。腫瘍細胞はS-100蛋白, vimentin陽性で, 顆粒がPAS陽性であったことより, 顆粒細胞腫と診断した。臨床的に潰瘍がみられ, 紡錘形腫瘍細胞を混じていたこと, 一部に被膜外浸潤を認めたことから追加拡大切除を行った。再切除標本では腫瘍細胞の残存はなく, 1年後の現在まで再発を認めていない。本疾患は小児には稀な疾患であり, また臨床的および病理組織学的に悪性顆粒細胞腫との鑑別を要したので報告する。

A 52-year-old man with squamous cell carcinoma (SCC) complicated with pseudoepitheliomatous hyperplasia on the tongue is reported. Six times biopsies obtained from the tumors of the dorsal aspect of the tongue revealed no malignant changes in the hypertrophic epidermis. Histological findings of lichen planus were observed on a part of the tumors. Dental crowns containing patch test-positive mercury were irritating the ulcerating portion of the tumors. Serum SCC antigen level was elevated. The tumors regressed by administration of etretinete, but serum SCC antigen level was unchanged. After stopping the administration, the tumors proliferated again. Histological findings of SCC were observed in a biopsy sample obtained from the floor of the tongue. Serum SCC antigen was decreased after the tumors were resected. Lichen planus or irritations by dental crowns might have caused the SCC. Tongue carcinoma preferentially appears on the side and floor of the tongue. We have to be nervous to the biopsy site of tongue tumors.