101. 沖縄住民の米国に対する復帰後30年間の意識の変遷
- Author
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中村, 完, 與久田, 巌, Nakamura, Tamotsu, Yokuda, Iwao, 中村, 完, 與久田, 巌, Nakamura, Tamotsu, and Yokuda, Iwao
- Abstract
本研究は、沖縄が日本に復帰した1972年から復帰30年後にいたるまで、10年ごとにおこなわれた復帰(社会)不安に関する4回の調査研究データを時系列に検討することを通して、米国に対する沖縄住民の意識や態度の変遷を明らかにすることを目的にしている。全体的な意識の時系列結果から、復帰時は米国に対して悲観的な意識が強かったが、しかし、復帰20年後に向けてその意識が緩和され、30年後には復帰時と同程度に再び悲観的な意識の程度が強くなっている。3種類の不安を軸にした結果から、戦争に関しては一貫して悲観的な意識が強く続き、30年後に最も強くなっている。自治に関しては復帰時から20年後までは楽観的な意識が漸増していたが、30年後、悲観的な意識が強くなっている。人権に関しては、復帰時は悲観的な意識の程度が極端に強かったが、10年後と20年後には楽観的な意識へと変化していた。しかし30年後には再び悲観的な意識の程度が強くなっている。それらの結果を復帰当時から復帰後30年間の沖縄の政治的、経済的、文化的、社会的状況等と関連づけながら考察をおこなった。
- Published
- 2006