連続ウェーブレット変換に関連した「個数状態」とそれに関する「生成消滅演算子」について(第6回『非平衡系の統計物理』シンポジウム,研究会報告)

作用素Q-ikP^(Q:位置作用素)、P:運動量作用素)の固有状態の波動関数が信号処理で用いられる過剰完全なコーシー・ウェーブレット関数系になることが知られているが、この関係は、ボゾン消滅作用素の固有状態がコヒーレント状態の過剰完全系となることとアナロジーをなすが、後者については、それに対応する個数状態や消滅生成関係がよく知られている。そこで、本研究では、前者におけるその対応物について考察する。前者においては、作用素Q-ikP^そのものが消滅作用素にはならず、この作用素のある種の有理関数として得られる作用素が消滅作用素となる。また、個数作用素は、単純に生成作用素と消滅作用素の積にはならず、その非線形関数となることが示される。また、個数状態の波動関数はラゲール倍多項式と密接な関係があり、エルミート多項式と関連するボゾンの場合とは異なっている。
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