Non-Verbal and Verbal P300 of Auditory and Visual Stimuli in Dementia, Dysarthria and Aphasia

聴覚,視覚の言語性と非言語性の刺激によるP300によって,構音障害とブローカ失語,痴呆と全失語の鑑別を試みた.構音障害患者ではほとんどの患者に全刺激でP300は出現したが,言語性と非言語性とに有意差はなかった.ブローカ失語では聴覚の言語性P300は出現せず,視覚では,言語性が非言語性よりも潜時の延長がみられた.痴呆患者では,11例は全刺激に対してP300が出現しなかった.全失語では聴覚,視覚とも非言語性P300は出現したが,言語性P300は出現しなかった.以上より,言語性と非言語性刺激によるP300を比較した場合,全失語やブローカなどの失語症患者では言語性が障害され,一方構音障害や痴呆などの非失語症患者では両刺激によるP300に一定の傾向はみられなかった.