Studies on the Tacticity of Polyacrylonitrile by the High Resolution Nuclear Magnetic Resonance Spectrum

重合条件の異なる16種類のポリアクリロニトリル (PAN), およびポリ-α-重水素化アクリロニトリル (PAN-αd1) について, NaCNSの重水溶液を溶媒として高分解能核磁気共鳴スペクトルを測定した。PANのメチレン基プロトンの共鳴スペクトルはSyndiotactic部分とIsotactic部分とによる二つのTripletの重なりと考えられ, それらの面積強度を別々に算出することによって各試料の立体規則性を推定することができた。ラジカル重合および常温のアニオン重合でつくったPANは約75%のSyndiotactic部分を含み, 低温アニオン重合, 固相放射線重合, Mg分子線法および尿素包接化合物の放射線重合により得たPANではSyndiotactic部分がやや少ないが, いずれも顕著な立体特異性は示していない。