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放射線によるマウス脳内レドックス状態の変化

Authors :
Nakamura, Mizuki
Shibata, Sayaka
Yamasaki, Toshihide
Ueno, Megumi
Nakanishi, Ikuo
Kamada, Tadashi
Aoki, Ichio
Matsumoto, Kenichiro
Publication Year :
2019

Abstract

マウス脳への放射線被曝により、マウス脳内の酸化障害マーカーが増加するとともにマウスの学習能力の低下が生じることが報告されている。そこで、X線または炭素イオン線を照射したマウス脳内のレドックス状態の経日変化をMRレドックスイメージングにより評価した。マウスを麻酔し専用の固定板に固定し、照射部位以外を遮蔽した上で、頭部(大脳部)に8 Gy照射した。炭素線の場合は頭部体表面での照射線量が8 Gyとなるように指定して照射した。X線の照射はPANTAK 320S(島津製)、炭素線の照射はHeavy-Ion Medical Accelerator in Chiba: HIMAC(量研・放医研)の生物照射室で行った。照射前、照射直後(5~10時間後), 1, 2, 4, 8日後の脳内レドックス状態を、MC-PROXYLまたはTEMPOLをレドックス感受性造影剤として、MRレドックスイメージング法により評価した。得られた2相性のMR信号減衰曲線から信号減衰速度k1およびk2を算出し、それぞれ還元速度およびクリアランスとして評価した。MC-PROXYLの脳組織内還元速度は、X線の照射数時間後にやや遅くなり、8日間で徐々に回復する傾向が見られた。炭素線の場合には照射直後にMC-PROXYLの脳組織内還元速度が遅くなるものの、その後は照射前とどうレベルかむしろ若干速くなる傾向が見られた。MC-PROXYLのクリアランスは、照射直後に遅くなったが、そのごは照射前のレベルに回復した。TEMPOLを造影剤とした場合も炭素線照射後の脳組織内還元速度に同様の傾向が得られたが、X線照射後にMC-PROXYLで観察された回復が見られなかった。照射直後と1日後以降では異なる酸化ストレスが生じている可能性がある。<br />第72回日本酸化ストレス学会学術集会

Details

Language :
Japanese
Database :
OpenAIRE
Accession number :
edsair.jairo.........2db1c92a6f482ae980909a974eca4c7d