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Matthew Boulton's Sales in Christie's : A Review of Research Trends

Authors :
Okabe, Yoshihiko
Source :
Discussion Papers In Economics And Business.
Publication Year :
2012
Publisher :
Graduate School of Economics and Osaka School of International Public Policy (OSIPP), Osaka University, 2012.

Abstract

本稿では、近年のマシュー・ボウルトンの再評価や研究動向のサーヴェイにくわえて、先行研究を基にメッキ製品オルモルについて概観し、これまであまり詳細が知られていない1771 年の展示販売会の実態を分析した。近年のボウルトンの研究動向からは、ボウルトンの諸事業や製品開発の背景には、蒸気エンジン事業における経営構想力だけではなく、コイン・貨幣製造などの新事業をグローバルに展開したことや文化的素養があったことが浮かび上がってきた。また、2011 年に50 ポンド紙幣にボウルトンの肖像が登場するほど、イギリス産業革命で彼が果たした役割が広く一般にも評価されるようになってきたことも窺える。経済史・経営史上では、ボウルトンのオルモル製品事業の評価はこれまであまり高くはなかった。しかし、小間物などのトイ製品と並んで、ボウルトンの初期事業の中核を占めたメッキ製品オルモルの製造事業の展開をみれば、新古典主義デザインの採用に見られるように新しい消費財市場の拡大を意図したことがわかった。また、オルモルと組み合わせた蛍石ブルージョン製品など独自の製品開発も行った。それによりデザインが多様化した製品の販売を行うため、王室をはじめとした上流層の利用や展示販売会といった新しいスタイルの販売方法を試みた。これらの試みはすべて成功したわけではなかった。1771 年の展示販売会を分析した結果、売り上げの粉飾や架空の落札者が存在したことがわかった。これまで言われてきたように財務上は失敗であったことが裏付けられただけではなく、その処理にボウルトンが苦慮した実態が浮かび上がってきた。デザイ

Details

Language :
Japanese
Database :
OpenAIRE
Journal :
Discussion Papers In Economics And Business
Accession number :
edsair.jairo.........5f8ae6d25dfe40d50de154b4f38e609e