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グローバル化からグローカル化へ : ミームに基づく文化進化理論に向けて

Source :
福井大学教育・人文社会系部門紀要. 4:93-112
Publication Year :
2020

Abstract

本論では、まずグローバル化の概念が学界に続いて政策当局にも取り上げられるようになった経緯と、市場中心のグローバル主義への批判が高まる中で、当初はグローバル化の派生概念であったグローカル化が、広義の文化の視点から捉えた場合にはグローバル化そのものであるとした社会学者ローランド・ロバートソンの学説を紹介する。そこで提起されているグローバル化=グローカル化における均質性・普遍性と多様性・個別性との相互浸透の構造を、ハンバーガーの発展史を事例として取り上げる中で考察する。そこには累積的な循環構造があり、生物進化の構造との相似性が認められる。これを説明する試みとして、生物進化の基本的分析単位である遺伝子からの類推で、生物学者リチャード・ドーキンスが提起し、その後の文化進化論などで定着しつつあるミームの概念を基本単位とする新たな社会理論の枠組みを提示する。そこでは、社会・文化の変容をもたらす基底には、ミームの変異があり、その源泉は相対的な概念としてのローカリティーであることを導く。

Details

Language :
Japanese
ISSN :
24341827
Volume :
4
Database :
OpenAIRE
Journal :
福井大学教育・人文社会系部門紀要
Accession number :
edsair.jairo.........79217c449dad7b23eac59e4ff2d3b897