An Analysis of Internal Conversation Processes by Native Japanese Speakers with More Experience in Contact Situations, Through Conversations with Non-native Speakers with Different Levels of Japanese

I. 論文
接触場面において日本語教師は非母語話者の日本語レベルを適切に判断し、相手のレベルに応じた調整を行うことができるとされるが、日本語教育にかかわりのない母語話者はどうだろうか。本稿では、それらの母語話者のうち、接触経験が多い母語話者に着目し、彼らが非母語話者の日本語の習熟度に応じてどのような意識的配慮を行っているかについて分析した。分析の結果、【相手の理解度に対する配慮】、【会話しやすい環境を作る配慮】、【相手を尊重する情意面の配慮】が生成された。また、初級学習者に対しては、話し方、聞き方、語彙面、話題面、情意面に配慮し、会話を主導する責任を強く感じていること、中級学習者に対しては、初級学習者と同様の傾向が見られたが、主導者ではなく、参加者として会話を盛り上げるように配慮していること、上級学習者に対しては、語彙面、情意面に配慮し、参加者として会話を盛り上げるように配慮していることが分かった。