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- Source :
- 經濟學研究. 69(2):51-63
- Publication Year :
- 2020
- Publisher :
- 北海道大学大学院経済学研究院, 2020.
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Abstract
- 経済分析においては,経済主体の目的として,多くの場合で物質的な選好の充足を想定するが,一方で非物質的な選好が本質的な役割を担う場合がある。非物質的選好の重要性を理解するには,経済状況と選好との相互作用を具体的に究明せねばならない。本稿ではこの究明の一つとして,公共財経済での提携形成において「承認」という非物質的要素への選好がもたらす効果について検討する。ここで「承認」とは主体がその行動の善悪と突出性とにもとづいて評価されることをいう。この経済においては,各主体は提携に参加し他の主体と連体して公共財生産を行うか,あるいは参加せず孤立して生産を行うかを選択する。大きな提携の形成には利があるにもかかわらず,財の消費から得られる(すなわち物質的な)効用のみを想定する場合,安定的に形成が可能な提携のサイズは非常に小さいことが示される。しかしここに承認からの効用を導入すると,これが物質的な効用に対していかに僅少であっても,経済に十分な数の主体がいれば,全体提携が安定的に形成可能であることが示される。これらの結果は,気候変動対策での国際的行動において現実に観測される状況を説明する。
Details
- Language :
- Japanese
- ISSN :
- 04516265
- Volume :
- 69
- Issue :
- 2
- Database :
- OpenAIRE
- Journal :
- 經濟學研究
- Accession number :
- edsair.jairo.........eebce2145df4b89389154936bc9c04a3