微少重力下における高品質大型高温超伝導体単結晶の成長研究

微少重力下での高品質高温超伝導体単結晶の育成を目指し、地上実験として酸化物高温超伝導体単結晶の育成技術を確立すること、そして、単結晶性の評価を行い、宇宙空間での高温超伝導体を用いた新たな応用を探ることが本研究の目的である。本研究においては帯溶融法を用いた酸化物高温超伝導体単結晶育成技術を確立し、直径約6mm、長さ60mm以上の単結晶育成が可能となった。高温超伝導体単結晶の育成には成長速度が遅く長時間を必要とすること、そして、育成の制御の点で熟練した技術を要することなどの点から微少重力下での育成には多くの問題が残った。しかしながら、作成された単結晶の物性を評価することにより高温超伝導体が有する固有の性質のいくつかが明かとなった。特に、宇宙からの地球環境をモニターする高周波の検出器への応用として、高温超伝導体の利用が可能であることが分かった。
NASDA Special Publication
宇宙開発事業団特別報告