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本研究の目的は、看護学生のヒヤリ・ハット報告会による学習効果を明らかにすることである。分析した結果､次のことが明らかになった。【医療安全の認識の向上】、【ヒヤリ・ハット分析の重要性】、【情報共有の重要性】、【ヒヤリ・ハット報告会の重要性】、【自己効力感の向上】が抽出された。ヒヤリ・ハット報告会は学生の危険予知能力の向上に影響を与えている。ヒヤリ・ハット報告会は学生の医療安全の認識の変化に影響を与えている。臨地実習時間内にヒヤリ・ハット報告会を実施することが必要である。看護教員と実習指導者が共に医療安全教育に取り組むことが必要である。, The purpose of this study is to clarify the learning effect due to "Hiyari-hatto" report meeting of the nursing students. As a result of having analyzed it, next became clear, [improvement of the recognition of the medical safety], [importance of the "Hiyari-hatto" analysis], [importance of the information sharing], [importance of the "Hiyari-hatto" report meeting], [improvement of a feeling of self-effect] extracted. The "Hiyari-hatto" report meeting affects the improvement of the dangerous power to foresee the future of the students. The "Hiyari-hatto" report meeting affects the change of the recognition of the medical safety of the students. It is necessary to carry out a "Hiyari-hatto" report meeting in nursing science training time. It is necessary for a training leader to wrestle with a teacher of nursing for medical safety education together., 論文(Article)

本研究の目的は、看護倫理を学ぶ看護学生（２年生92名、３年生86名）178名を対象とし、看護倫理を受講する学習時期の違いが受講後の学習効果や倫理観に差が生じるかを明らかにすることを目的とした。看護倫理の初回講義時と全７回の講義終了後にそれぞれ自作の質問紙を用いて、看護倫理に関する用語について、その理解度を尋ねた。結果、講義後アンケートでは、２年生と比較して３年生はすべての質問項目において「十分に理解できた」と回答した割合が高かった。さらに、学年間で有意差が認められた質問項目は「アドボカシーについて理解しましたか」（p＜0.01）、「パターナリズムについて理解しましたか」（p＜0.05）の２項目であった。これらの結果から、看護倫理を学ぶ看護学生に対して、看護倫理を開講する時期としては、２年次よりも３年次の方が学習効果もより高い可能性が示唆された。

目的：本研究は，アディクション等の障害を持ちながら地域で生活されているセルフヘルプグループのメンバーが，看護学科の健康教育論の授業へ参加し，自らの体験を語ることによる学生の学習効果と授業への知見を得るものである。方法：研究に同意の得られたアディクション等のセルフヘルプグループメンバーと学生を対象にアンケート調査をした。セルフヘルプグループメンバーの伝えたいことと学生の理解内容の比較および学生の授業前後の関心度と印象度を比較検討した。結果：受講後の学生は，セルフヘルプグループへの関心度やセルフヘルプグループメンバーの印象度が有意に高まった。また，セルフグループメンバーが学生に伝えたいことと学生が学んだことは，一致する項目と一致しない項目がみられた。一致する項目は，「人との関係やつながりの大切さ」や「自分たちの思いを知ってほしい」ということであった。一致しない項目として，「本音を語れる良い機会だった」，「社会復帰について」，「当事者が看護者や社会に期待すること」，「治療の大変さ」などであった。学生の学びの構造を因子分析した結果，『現状を知ること』と『その人の内面を知ること』の2つの因子が生成された。考察：当事者の話を直接体験として聞くことは，学生の関心度を高めたり先入観をなくす良い機会になっていた。しかし，セルフヘルプグループメンバーと学生の有用性の間に一致と不一致が混在していた。不一致部分については，今後の参加授業にグループワークやディスカッションを取り入れ，学生がその人自身の内面的な心情にも触れて，『その人の内面を理解すること』へ結びつけることが，さらなる学習効果を得ることになると考える。, Purpose: In the present study, self-help group members with Mental health-related issues such as alcohol dependence who were living in the community participated in a nursing department health education theory course and described their personal experiences. The study was designed to assess knowledge acquired from the course and the learning effects among the students. Method: A questionnaire was administered to consenting self-help group members and nursing students. Content for which students demonstrated comprehension was compared with points that self-help group members wanted to convey. In addition, a comparison of the students' interest and impression levels before and after the course was examined. Results: Levels of interest in self-help groups and the strength of impressions left by self-help group members significantly were increased among students after taking the course. The points that group members wanted to convey and the material that students reportedly learned matched for some items, but not all. The items that matched were "the importance of connections and relationships with others" and "the desire for others to know my thoughts." Items that differed included "good opportunity to say what I truly think," "re-entering society," "expectations for nurses and society," and "difficulty in receiving treatment." Factor analysis on the structure of student learning yielded the factors "Knowledge of Current Situations" and "Knowledge of Internal Aspects of Another." Discussion: The direct experience of listening to the accounts of the self-help group members was a good opportunity for heightening interest levels and eliminating bias among the students. Despite this, there was a lack of consistency in how the members and students applied course experiences. Future course participation should include group work and discussion on the items lacking consistency. Further learning effects may be observed in students by touching upon the emotional states of others and linking inconsistent points to "understanding the internal aspects of others."

application/pdf, 本学科の母性看護学実習は,平成20年度から大幅に実習形態を変更した.これにより現在行っている実習内容の効果・学びの状態を評価し,今後の実習方法を再考することを目的とした.母性看護学実習を終了した看護学科3年生100名を対象に,自記式質問紙を用いて調査を行った.結果として実習前の事例分析・学内演習は有効であり,外来実習の学びに効果がみられた.分娩見学の実施が分娩経過・看護の理解に影響していた.産褥期の経過・看護の理解を深めることは,母親・新生児の様々な変化の理解ができ援助につながる可能性が高かった.また,学生は多少なりのストレスを抱えて実習を行っていることが明らかとなった.以上より,実習を効果的に行えるように講義の段階から考慮し,実習前の学習状況を把握していくことが必要であった.事前学習と実習に向けた準備がストレスを軽減し,実習の学習効果を高めることにつながると考えられた.また,臨床指導者との連携の見直しの必要性も上がり,実習方法の再考が行えた.

看護専門課程(3年)における3年次の複数受持ち実習(同時に2人以上の患者を受持つ実習方法)の現状とその有効性について、学生側からの視点で調査票を用いて分析した。その結果、現状としては、複数患者の看護過程を展開できる学習環境の整備が不十分であるという学生の認識、看護過程の展開方法(記録の内容や記録用紙、記録量など)と目標設定(内容)の妥当性を検討する必要性などが明らかになった。また、有効性については、実習領域と実習日数において合計7つの調査項目で有意差が認められ、手術対象の患者が中心の急性期病棟で複数実習をこなす物理的な困難さや患者家族への関わりの不十分さ、日数の多さが患者理解にプラスの効果をもたらす可能性、などが示唆された。