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地域住民や高校生、看護学生のVR認知症体験の効果を明らかにすることを目的にアンケート調査を行った。その結果、認知症理解に関する15項目の平均点は、VR認知症体験前後で体験後が有意に高く、性別、職業全てにおいても体験前後で体験後の平均点が有意に高かった。また、認知症理解に影響している要因として「性別」「認知症の人とのかかわりの経験」「認知症関連の勉強会への参加」が明らかとなった。自由記述から導出されたカテゴリーから、認知症への共感的理解が深まり、「わかったつもり」であったことへの気づきなど、今後のケアの質の向上につながる内容が導出された。, A survey was conducted among local residents, high school students, and nursing students to ascertain the effectiveness of experiencing dementia in VR. Results indicated that the mean scores on 15 items related to the understanding of dementia were significantly higher before and after experiencing dementia in VR, and the mean scores after the experience were significantly higher than those before for both sexes and all occupations. In addition, results revealed that gender, experience dealing with people with dementia, and participation in workshops related to dementia were factors influencing the understanding of dementia. Based on the categories derived from open-ended responses, results identified aspects that will lead to improved quality of care in the future, such as a deeper empathetic understanding of dementia and an awareness of things that the participants thought they understood.

高校1年生を対象に、福祉や介護の仕事に対する意識について、質問紙調査を実施した。福祉や介護の仕事を見たり体験することは、福祉や介護の仕事に関心を有することや、将来の仕事として選択することに関連があると認められた。福祉や介護の資格の周知度は必ずしも高くなかった。福祉や介護の仕事については、社会的必要性や価値が高いととらえられているが、勤務条件や身体的・精神的負担度については、マイナスのイメージでとらえられている傾向にある。また、回答者の多くが職業を通じて人間関係を深め、専門性を高め、感謝される存在でありたいと願っていると考えられ、福祉や介護の職場においては、若者から選択される職場となるために、こうした点について十分に配慮する必要があると考えられる。

In this study, we investigated the awareness of librarians and libraries among high school students. We carried out a questionnaire survey for high school students in the Nagano prefecture to clarify their views regarding library functions and the roles of librarians, use of libraries, and reading habits. The results indicate that the high school students in Nagano prefecture tend to have a traditional view of librarians and libraries. Moreover, as a general tendency, the functions of a library expected by the Government did not necessarily align with the high school students’ understanding of them. In the future, we hope to clarify these details through interviews with high school students, drawing from the characteristic data obtained via the questionnaires. It is also important to conduct qualitative research about efforts at libraries in Nagano prefecture.

E-sports shows great upsurge. Gunma Prefecture promotes e-sports, and the prefecture hosts tournaments. And some prefectural high schools are also incorporating e-sports, and e-sports are treated like any other sports. On the other hand, in Kagawa Prefecture, impose restrictions on playing e-sports for growing concerns about gaming disorder. In this study, we investigated the extent to which students with an interest in e-sports fell into game disorder (game addiction) and compared it with students with interests other than e-sports.

The purpose of this study was to explore high school students’ attitudes toward English language learning and their actual English language learning, and to investigate their needs in terms of why they study English and what kind of English classes they need. The results showed that students’ needs for using English and needs for English classes are quite diverse. It has become clear that the contents of English classes at a high school are centered on grammar explanation, English-Japanese translation, and vocabulary study and that there is a large gap between students’ needs and the reality of English classes.

本研究では，中高生にとってSNSは居場所となっているのか，SNSで感じる居場所感とはどのようなものかという問いを立て，1）SNSと現実の居場所感を比較する，2）居場所感の規定因としてSNSの利用方法や学校適応，承認欲求の根底にあると想定する過敏型自己愛を投入して，２つの居場所感の特徴を把捉し比較する，3）現実よりもSNSのほうを居場所と感じている生徒の特徴を明らかにするという検討を行った。Webアンケートによる199名の中高生のデータの分析結果から，1）SNSより現実の方が居場所感は高いこと，2）両居場所感とも学校適応，居場所感の対象人物がSNSと現実で同じであることが有意な正の効果を示し，SNSのみ過敏型自己愛の随伴的自尊感情の正の効果も有意であること，3）SNSを現実より居場所と感じている生徒は，LINEを使って現実でも友人である相手と交流することで居場所感を感じていることが見出された。

The purpose of this study was to verify the practical effects of career learning on high school students. Study 1 examined the changes before and after career learning. After the program was implemented, the image of working was positive, and career choice self-efficacy increased. Study 2 examined the program’s effects after a year, and results revealed that career choice self-efficacy reverted to its pre-program level. However, students who perceived the effects of career learning had greater interest in the future and clearer goals. In contrast, students who did not perceive the effects of career learning claimed they had no opportunity or time to make use of what they had learned or they were not able to find a connection between that learning and their lives as students. These results indicate the importance of efforts to have students find meaning in career learning and to adopt it to daily life and learning.

The purpose of this study was to investigate whether children may have been affected by many physical and mental changes in the spread of COVID-19 infection. Therefore, we decided to clarify the physical and mental changes among high school students, focusing on the relationship between anxiety, stress, relationships with family and friends, and lifestyle. A questionnaire survey was administered to full-time high school students over a two-year period. The results showed that mental state, physical state, concentration, and worry were all significantly worse in 2021 than in 2020, based on annual comparisons between the 2020 and 2021 surveys. The group that showed changes in appetite and sleep quality was significantly worse off than the group that did not show changes in all mental status, physical status, concentration, and worry. The presence or absence of caring or supportive friends was found to have no effect on all items, while the group that could not consult family members had worse mental status, physical status, concentration, and worry than the group that could consult family members. These findings indicate that the mental and physical condition of high school students is greatly affected by the coronary disaster. We believe that the results of this study can be used as materials for health education for high school students and as educational materials for their parents.

コロナ禍での家庭科保育体験学習は、実施困難が続き、多くの学校が実施せずという状況を変えられず、映像授業や製作授業等に代替しているのが現状である。本論では2 年間にわたり、対面交流実施困難への対応として、小学生は生活科地域を知る授業、高校生は家庭科の保育体験学習をそれぞれGoogle meetを用いたオンラインで交流授業を行い、実践の効果と課題を示したので報告する。

地域の安全と持続を支える社会基盤 として地方鉄道を住民と行政が一体となって利用促進に向けて取り組むことが重要である．そこで本研究は ，令和3年10月に減便されたJR越美北線の沿高校へ通う高校生に特に着目し，アンケート調査により，越美北線での運行本数の削減でどの程度影響があったのか，また利用促進のために沿線市の各制度や今後行われる可能性のある取組みの中で，高校生にとって利のある取組みかを把握すること，さらに高校生主体で越美北線利用促進のために協力できることを探った． その結果，減便の影響については代替交通手段のない高校生にとって大きな問題であることを明らかにした． 利用促進策については「限定クーポン利用」に需要があり，また 利用回数を増やす策として「快速列車の運行」が最も期待できること，高校生の協力意向について は，「会員制度への加入」「クラウドファンディグへの協力」で高いことを明らかにした．, 第33回中部支部研究発表会2022年10月7日 ②会場 セクション:交通

本研究では，高校生における男女共同参画に関する意識を家庭と社会生活を中心に明らかにすることを目的とし質問紙調査を行い分析した。社会全体において男女の地位が平等であると認識する高校生は2 割で，7 割の高校生は男性が優遇されていると認識している。性別分業を半数以上の高校生が支持する一方で，家庭や社会生活の営みでは性別に関わらず平等に関わることを望む高校生が圧倒的に多い。将来のパートナーには家事・育児遂行意識と能力，自分の仕事に対する理解を求めながら，女子はパートナーの収入や職業を，男子はパートナーの家事・育児能力をより求めている。高校生は男女共同参画の関連学習の必要性を認識し，適当であると考える学習時期は内容により小学生から高校生まで多岐に選んでいる。本研究では，高校生が性別分業を支持する一方で，家庭や社会生活における男女共同参画を望むなど，変化を望みつつも現状を受け入れている様子や，学習者の発達段階を考慮しながら男女共同参画について体系的に学ぶことができるように教育機会を提供する必要があることが明らかになった。

佐渡在住者および高校2年・3年生クラスを対象に、定住に関するワークショップを実施した。併せて実施した高校生の進路・定住希望質問票調査から76%の高校生は島外に進学を希望し、進学希望者の68%は島外での就職を希望していた。高校2年生の75%は佐渡は住みやすいと回答する一方、3年生は25%しか住みやすいと回答しなかった。以上のことから高校卒業後の島外進学・就職、および住みやすさへの意識が10歳代人口流出の大きな要因となっていることが推測された。高校2年生の佐渡に住み続ける希望は65%、3 年生のそれは50%であった。佐渡在住者のワークショップで若手定住率が低い原因として「仕事が少ない」、「遊ぶ場所が少ない」、「進学先が少ない」、「店が若者向けでない」であった。高校生ワークショップでは地域で育った若者が定住においてもとめる要素として「快適に日常生活をおくるために必要な要素」、「最新の流行や娯楽・趣味を満たす要素」、そして「進学先や就職先といった自分の将来を考えることができる要素」が整理された。これら3つの要素を満たしていくことが、若者の島外流出を防ぐ手立てになると考えられた。

本研究では、高校生を対象に、国語の4技能である「書く」「聞く」「話す」「読む」ことへの苦手意識の実態を明らかにするとともに、これらの苦手意識の高低により、学習動機づけ、学校享受感、学校適応感に差異がみられるかどうかを検討した。高校1 年生に質問紙調査を実施した結果、「書く」「聞く」「読む」ことへの苦手意識は概ね低い水準にある一方、「話す」ことには比較的苦手意識を伴いやすいことが示された。また、同一化的調整に基づく学習動機づけは、苦手意識高群の方が、苦手意識低群よりも有意に高い傾向が示された。一方で、学校享受感、学校適応感には、苦手意識の高低による差はみられなかった。これらの結果から、苦手意識の高い者に対しては、将来の夢や目標の実現に関連するような授業内容を展開することが有効である可能性が考えられた。また、今後の調査では、国語4技能の測定方法について、より精緻に検討していく必要性が示唆された。

本研究では、ドロップアウトに至った61名の高校生について、精神的健康を指標としたタイプ分けを行った。コレスポンデンス分析の結果、（1）注意の問題・衝動性傾向、（2）いじめの問題傾向、（3）体調不良傾向、（4）反社会傾向が強い4つのタイプが見出された。それぞれのタイプの特徴を分散分析によって比較した結果、自尊感情、「対人関係に関わる自己効力感」について有意な得点の差が認められた。また、各タイプの生徒と学業を継続・卒業した生徒の特徴をt検定によって比較した結果、ドロップアウト群をひとまとまりにして検討した際には見えなかったそれぞれの特徴が見出された。複数の要因が複合的にドロップアウトに関連している状況も示唆された。

本稿は、2019年度から開始した高大連携事業「集まれ！家庭科大好き女子高校生」についての報告である。これは、和洋女子大学の家政学分野における教育や研究に係る高大連携の推進を受けた、学内で初めての取り組みであった。一貫したテーマは、学科の特色である「家政・福祉・保育」の学びを軸に、大学教育・研究の奥深さに触れ、家庭科に関心を寄せる高校生の知的好奇心をいかに充足するかという点である。第2回からは家政福祉学科の主催となり、プログラムに関する様々な課題をクリアしながら、第4回まで継続してきた。そこで、ここまでを振り返るとともに、2021年６月に実施した講座の概要を報告し、今後に向けた課題を検討する。 その結果、本講座が、受講した高校生の将来につながるような有機的な支援となるためには、２つの大きな課題があると考えられた。１つ目が、家政福祉学科の多様な学びと家庭科教育とがリンクした新たな分野のプログラムの開発である。２つ目が、事前告知の方法の検討である。特に、家庭科教育と直接結びつく現場に対する効果的な働きかけ方を模索する必要があるだろう。

本研究の目的は，高校生827名（高校１年生289名，２年生277名，３年生261名）を対象に，１学期のはじめ（４月）と２学期のはじめ（９月）に行われる実力テストの際に，キャリア意識尺度を実施し，⒜ 学年や性別によるキャリア意識の違い，⒝ 全体，学年別，男女別にキャリア意識と学力との関連性を明らかにすることであった。調査の結果，以下の５点が示された。すなわち，⒜ 女子は，男子に比べて，キャリア意識の４領域全ての得点が有意に高かった。⒝ 高校１年生や３年生は，２年生に比べて，キャリア意識の４領域全ての得点が有意に高かった。⒞ 人間関係形成，将来設計，意思決定については，１年生においてのみ，第１回調査（４月）に比べて，第２回調査（９月）の方が得点は有意に低かった。⒟ 人間関係形成と意思決定は，第１回調査時点では，高校１年生と３年生の得点間に有意差はなかったが，第２回調査時点では，高校３年生は，高校１年生に比べて，得点が有意に高かった。⒠ 実力テスト合計点は，情報活用，将来設計，意思決定と有意な弱い正の相関があった。本研究の学術的貢献は，⒜ 学年進行に伴うキャリア意識のU字型の変化は，１年生の１学期にはじまることを実証したこと，⒝ 「学力とキャリア意識は連動しているというよりは，むしろ，関連性が弱く，それぞれが独立したものとして存在している可能性が高い」という知念・中尾（2018）の主張を全学年において確認したことである。, The purpose of this study was （a） to reveal the differences in career awareness and （b） to clarify the relationship between career awareness and academic achievement in high school students by grade and gender. Participants were 827 A-high school students in Okinawa （289 tenth graders，277 eleventh graders， and 261 twelfth graders）. The main findings were as follows: （a） High school girls scored higher on all four fields of career awareness than high school boys significantly; （b）Tenth graders and twelfth graders scored significantly higher in all four fields of career awareness than eleventh graders; （c） The scores for relationship formation， future planning， and decision making were significantly lower in the second survey （September） than in the first survey （April） only for tenth graders; （d） There was no significant difference between the scores of tenth graders and twelfth graders in relationship formation and decision making at the first survey （April）. However， twelfth graders had a significantly higher score in these fields than tenth graders in the second survey （September）. （e） The total test score has a significant positive correlation with information utilization， future planning， and decision making， but the degree of correlations was weak. This study had two academic contributions: （a） The study demonstrated that the U-curve change in career awareness as the school year progresses started the tenth graders’ first semester. （b） the study confirmed Chinen and Nakao’s （2018） suggestion that academic achievement and career awareness are weakly related and are likely to exist independent of each other rather than being linked in all graders.

本研究では,高等学校理科物理領域「物体に働く力」に関する高校生の学習前の概念の状況を把握するとともに,素朴概念を科学的概念に転換する指導法の提案を行った。学習前の生徒はMIF 誤概念と直落信念を強固に保有している状況であり,慣性の法則に関する素朴概念と科学的概念が知識の中に併存している状況であった。「(1)素朴概念を自覚化させる」「(2)素朴概念と科学的概念との間で認知的葛藤を喚起する」「(3)科学的概念の一般性を実感させる」という3つの支援を行った結果,調査問題の正答率が大幅に上昇し,分散分析において有意な差が見られ,素朴概念への逆戻りも少ないという結果を得た。よって,本研究で提案した指導は,素朴概念を科学的概念に転換することに有効であることが示された。, This study examines the level of comprehension high-school students have regarding native concepts before they learn in science classes teaching “Force acting on an object." Furthermore, it proposes a teaching method for converting native concepts into scientific concepts. It was found that the pre-learning students had a strong possession of MIF native conceptions and the straight-down belief, and the native concepts and scientific concepts of the "law of inertia" coexisted in their knowledge. Applying three measures, namely (1) “raising self-awareness about the native concepts," (2) “stimulating cognitive tension between native and scientific concepts," and (3) “have them realize the generality of scientific concepts," resulted in a substantial increase in the rate of correct answers in the confirmatory test, significant differences in analysis of variance, and less reversion to native concepts. Thus, the three measures proposed in this study were shown to be effective for translating native concepts of “Force acting on an object" into scientific concepts.

本研究では，高校生における援助要請行動，居場所感，学校適応感の関係を検討し，それらの関連を明らかにするための基礎的研究を目的とした。高校生版援助要請行動に関する項目を作成し，因子分析を行った結果，１因子５項目の尺度が作成された。高校生1671名を対象に，学校適応感，居場所感，援助要請行動について質問紙調査を行い，測定した。まず，各尺度において，２要因の分散分析を行った。結果，一部，学年差や性差はみられたものの，大きな差は認められなかったため本研究では，性別と学年ごとにデータを分けず相関分析を行った。その結果，学校適応感，居場所感，援助要請行動の間に一部相関がみられた。本研究の結果から，高校生の学校適応感，居場所感，援助要請行動において，関連性がうかがえたものの，今後の影響や関連を研究する上で検討点もうかがえた。

目的：近年，一般市民における一次救命処置（Basic Life Support: BLS）講習会は増加傾向にある．バイスタンダー（その場に居合わせた人）の役割は大きく，学生もバイスタンダーになり得る．そこで，学校における心肺蘇生教育の動向を概観し教育上の課題を明らかにし，今後のバイスタンダー育成指導のための一助とすることを目的に文献検索を行った．方法：検索には医中誌，CiNii を使用し，キーワードを中学生・高校生・大学生・心肺蘇生・教育とした．結果：検索結果は 39 件であった．中学生における教育課題は技術の習得，講習効果が行き届いていないことである．高校生の課題は，文献数が少なく把握は難しい状況であった．大学生の課題は，教育の定着と時間・金銭面などの状況による講習会参加のためらいである．また，教育者の質の確保も課題であった．考察：現状における CPR 教育は効果が得られているが，バイスタンダーを育成指導するためには教育課程に合った指導方法，および指導する側の教育環境，システムの整備が必要である．

This study sought to obtain basic information to examine sex education in high schools and clarify the state of sexual activity among high school students as understood by school nurses. Furthermore, the efforts to solve sex-related issues were also examined. We conducted semi-structured interviews with three high school nurses who provide sex education and prepared a transcript for quantitative text analysis. The nurses identified two key issues—contact with the opposite sex and concerns about sex—and efforts to resolve these issues were related to response to pregnancy, cooperating with midwives, and sex education. School nurses recognized high school students’ poor awareness surrounding the risks of having sexual contact with the opposite sex through SNS as an issue. School nurses also perceived the necessity for a planned and professional sex education course in schools that would meet students’ needs. They felt that cooperation between school nurses and midwives is important.

目的：厚生労働省が報告した平成30 年度エイズ発生動向によると、新規HIV感染者は20～30歳代に集中しており、全体の65％を占める。性行動体験率の急激な変化の時期である高校生に対して、HIV感染症や他の性感染症について正しい知識を伝えることは、エイズ予防の啓発活動として重要な責務である。今回、高校生を対象にエイズ予防を中心とした講演を行い、講演後に実施した調査の集計結果から講演がエイズ予防の啓発につながる影響を検証した。方法：2017年から2019年までの3年間に名古屋市にある高等学校1年次生を対象として、HIV感染症を中心にその他の性感染症に関する内容の講演を30分間行った。講演後、講演時間の長さ、難解さ、内容の有用性、興味に関し選択形式で、また役に立つと感じた内容、探求したい事、感想を記述方式での無記名の自記式アンケート形式で実施した。結果：3年間で男1125名、女239名の1364名から回答を得た。講演時間は82％が「適切」と回答し、内容を「（やや）理解できた」が93％、「（やや）役に立つ」が94％を占めた。講演が「（やや）面白い」が53％、「面白くない」が48％であった。講義内容について役に立つ内容は、主に予防と感染経路についてであり、探求したい事はHIV感染症を含めた各性感染症の詳細であった。感想としては、将来役に立つ正しい知識を獲得できた事など講演に好意的な意見と、性感染症の病巣画像への嫌悪感などの講演に否定的な意見があげられた。結語：本調査結果において、選択形式の設問では3年間を通じておおむね同じ割合で肯定的に受け入れられていたことが明らかとなった。エイズ予防に有益な活動として、改善を加えながら継続していく予定である。, Objectives: According to the 2018 HIV/AIDS surveillance reported by Ministry of Health, Labour and Welfare, the number of newly HIV-infected individuals in their 20s and 30s is high in age distribution of HIV/AIDS patients, which accounts for 65% of the prevalence. The number of adolescents who have sexual intercourse rapidly increases while they are in high school ; therefore, providing them with correct knowledge about HIV infection and other sexually transmitted diseases (STDs) is vital for AIDS awareness and prevention campaign. Using a questionnaire, we investigated the effectiveness of the program of AIDS awareness and prevention for high school students. Methods: Between 2017 and 2019, we have delivered a 30-minute lecture on HIV infection and other STDs to first-year high school students in Nagoya. After the lecture, we made a survey about the presentation, including the length of time and levels of their understanding, interest, and benefit from the lecture by using multiple-choice questions as well as practical points they learned, further information they wanted to know, and impressions about the lecture by using open-end questions. Results: We received responses from 1364 students (1125 men and 239 women) for the three years. Most students (82%) answered that the lecture length was appropriate, 93% of them basically understood the content, and 94% regarded it as useful. About half of students (53%) thought that the program was interesting, and the other half (48%) did not so. Many students found that learning prevention and transmission routes of STDs was informative and wanted to know more about the diseases, including HIV infection. Students had positive opinions ; for example, obtaining correct knowledge about STDs was helpful for the future, while some students had negative opinions ; for example, they felt uncomfortable for graphic images of STD symptoms.Conclusion: These survey results revealed that the lecture positively impacted on some students every year in the program, indicating this activity is beneficial to HIV/AIDS prevention. Therefore, we will continue to deliver the lecture in high school students, improving its content.

大学と地域の連携の課題として，継続性と循環性という概念に着目して，高校と大学と地域の連携による社会教育プログラムを事例に，これらの開発と実施に関与するアクション・リサーチを紹介する。和歌山大学の生涯学習の特徴，高大地域連携に関する先行研究を概観したうえで，2つの連携事例の分析・考察を行い，研究課題を提示する。

日常生活において，すべての人が暮らしやすくなる共生社会について考えることを目的として，特別支援教育を学ぶ大学生と高校生が，ユニバーサルデザインに関して意見交流をするオンラインでの交流学習を行った．それによって，高校生はユニバーサルデザインが社会に暮らすすべての人のためのものであることを理解し，障害のある人を社会全体で支えるべきだという考えをもつようになった．

研究ノート, Research Note, 本研究では、多言語環境に育つ１名の高校生が、１年間に亘る「日本語基礎」の授業時間内に書いた二言語による作文間に見られる関係性を分析し、L2作文においてL1作文能力がどのように活用されているのかを探った。対象生徒は、L1がある程度確立した思春期以降にL2日本語との接触を開始しており、L2作文においてL1作文能力がどのように活用されるかを観察する好対象として取り上げた。対象生徒が書いた両言語作文について、抽象的語彙の使用、複文使用率、文字の書き方、文章構成の観点から分析した。その結果、L2の抽象語彙拡大の基盤としてL1の抽象概念があった可能性、L2作文における複文使用、文章構成力などにおいてL1の作文能力が基盤となった可能性が示唆された。以上のような複数領域において見られた両言語間の関性を取り上げ、L2作文能力の発達においてL1作文能力が重要な役割果たした痕跡として報告した。, This study analyzed the relationship between L1 and L2 in regard to written composition of a bilingual high school student with a multilingual background, and explored how the L1 writing ability is utilized in L2 writing. Several compositions were written during a one-year “Basic Japanese” class. One student was chosen as a good example to observe the above- mentioned relationship between L1 and L2, because she acquired L2 Japanese after adolescence and with her L1 ability already established. The compositions in both languages were analyzed from the viewpoints of abstract vocabulary usage, compound sentence usage rate, writing style, and organization. As a result, it was suggested that the abstract concept she had in L1 has influenced her L2 to expand abstract vocabulary. Similar influence of L1 on L2 was found with compound sentence usage and organization. Several observations confirmed there to be several significant factors of L1 influencing L2 development.